読書日記
(2008年4月〜6月)

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目次 

6月 
43(403) ごめん!: 2008.06.25
42(402) 『地球温暖化』論に騙されるな!: 2008.06.21
41(401) 負けてたまるか!: 2008.06.17
40(400) 疑似科学入門: 2008.06.13
39(399) カンブリア爆発の謎: 2008.06.07
38(398) 情報は一冊のノートにまとめなさい: 2008.06.07

5月 
37(397) いのちの授業: 2008.05.30
36(396) ダ・ヴィンチの二枚貝(下): 2008.05.29
35(395) 時間とは何か: 2008.05.15
34(394) はじめて考えるときのように: 2008.05.11
33(393) もしもあなたが猫だったら?: 2008.05.07

4月 
32(392) 99.9%は仮説:2008.04.30
31(391) 99%は論理力1%は直観力:2008.04.29
30(390) 背信の科学者たち:2008.04.27
29(389) 素数に憑かれた人たち:2008.04.26
28(388) 時間はどこで生まれるのか:2008.04.13


6月 

43(403) ごめん!: 2008.06.25

中村修二著「ごめん!」
(ISBN4-478-70327-2 C0036)
を読んだ。
中村氏が、自分の東京高裁における
若い判決のでた裁判についてかったものだ。
日本の技術者の地位に一石を投じたが、
それは、司法制度の壁に阻まれ、
思うように言ってないことを伝えている。
彼ならではの論理の強引さ飛躍がはあるが
いいたいことはよく分かる。
同世代人として、彼には研究でがんばって欲しい。
そして研究者として日本に対して
発言を続けてもらいたいものだ。
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42(402) 『地球温暖化』論に騙されるな!: 2008.06.21

丸山茂徳著「『地球温暖化』論に騙されるな!」
(ISBN978-4-06-214721-7 C0095)
を読んだ。
わが意を得たりという書物であった。
強引さ、詰めの甘さ、論理の飛躍もある
相変わらずの丸山節であった。
しかし、そのような問題点を差し引いても、
そこには彼なりの説得力のある
論理が展開されている。
実際に彼は研究者を動員して、
研究データを集める努力をしている。
春の惑星地球合同学会でも
セッションを開いて議論をしている。
なぜ、地質学者が今まで
地球温暖化に、反論しなかったのか、
私は不思議でならなかった。
地球の歴史を見ると、
人為でない温暖化、寒冷化が一杯あった。
その原因究明もなされないまま、
現在の地球温暖化を騒ぎ、
二酸化炭素を犯人扱いしている。
私は常に疑問を感じ、
講義でもその点をいろいろ述べてきた。
それが、今丸山氏が学問として展開しようとしている。
もちろん反主流派の集合になるだろう。
しかし、一線級の研究者が最先端の研究手法と考えで
試料を分析・観測機器などでデータを集めながら、
シミュレーションも修正しながら、
学問としていく行動が始まった。
研究者は学問で勝負しなければならない。
そこには、自由で何者にも縛られない発想、
どんな結論でっても阻害されることなく
公開される場を提供すべきであろう。
丸山氏がそんな状況を作ってくれることを願っている。
彼がいれば、賛否両方の一流の研究者が
学問として議論できるような気がする。
そんな気運が日本から生まれれば素晴らしいことだ。
久しぶりに刺激的な本であった。
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41(401) 負けてたまるか!: 2008.06.17

中村修二著「負けてたまるか!」
(ISBN4-02-259848-4 C0340)
を読んだ。
久しぶりに中村氏の本を読んだ。
あいかわらずの中村節である。
裁判やアメリカの大学での生活、研究についての
様子がいろいろ知ることとができた。
週刊誌に連載したものを大幅に書き直したものだ。
彼が愛媛県の大洲市の出身だったのは、
興味が引かれた。
勝訴までの話だが、
現在を知りたいものだ。
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40(400) 疑似科学入門: 2008.06.13

池内了著「疑似科学入門」
(ISBN978-4-00-431131-7 C0240)
を読んだ。
池内氏のホンはいろいろ読んでいる。
彼が疑似科学について分類し、
それぞれの問題点を指摘している。
地球環境のような複雑系は
科学的に決着のみていない問題への対処も考えている。
著者自身も書いているが、
まだ練れていない点がある気がする。
しかし、このような問題は、
私自身も、まだ判断できない、
対処できないものでもある。
予防措置原則は
私も現在たどりついている対処法であるが、
それを池内氏もいっているので、心を強くした。
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39(399) カンブリア爆発の謎: 2008.06.07

宇佐美義之著「カンブリア爆発の謎」
(ISBN978-4-7741-3417-8 C0045)
を読んだ。
チャンジャンの成果を中心に
カンブリア大爆発のまとめたものだ。
最新のデータをいろいろいれているので、
興味深かったが、
個々の種のスケッチは直感的でわかりよく
非常に効果がある。
その記載は専門家やマニア以外には
あまり興味がない内容である。
まあ、久しぶりにカンブリア紀だけの
内容の書を読んだ気がする。
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38(398) 情報は一冊のノートにまとめなさい: 2008.06.07

奥野宣之著「情報は一冊のノートにまとめなさい」
(ISBN978-4-901491-76-1 C0034)
を読んだ。
小さいなA6(文庫本サイズ)のノートに
何でも日付をつけて書き込み、
その日付とキーワードをつけて
テキストファイルで管理するというものである。
簡単である。
私は、B5サイズのノートである。
しかしテキストファイルを作っていない。
だいたいいつごとのことがというので、
思い出して探し出す。
それにあまりノートにメモいっぱい書かなくなった。
必要なら直接パソコンに打ち込んでいる。
しかし、いつでもメモを取るというのは重要である。
できれば歩いているときもそうしたいものだ。
それがなかなかできないので
悩みなのだ。
備忘録をどうするかである。
このような本を読むと
いつもそこに戻るような気がする。
それでいいのかもしれない。
そのような啓発書とすればいいのだ。
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5月  
37(397) いのちの授業: 2008.05.30

吉田和夫著「いのちの授業」
(USBN4-8355-4382-3 C0095)
を読んだ。
もと小中学校の教員の人が、
いのちについて書いた本だ。
授業のやり取り風の会話で展開されている。
本当の授業で教師の指導なく、
このような展開が実際の授業で
起こることは多分ないだろう。
しかし、どこかの授業で
このような場面があったのだろう。
その蓄積がこの本に使われているように思える。
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36(396) ダ・ヴィンチの二枚貝(下): 2008.05.29

スティーヴン・ジェイ・グールド著「ダ・ヴィンチの二枚貝(下)」
(ISBN4-15-208397-2 C0045)
を読んだ。
私は、グールドの高尚さ、知性、そしてユーモアを愛する。
だから、その楽しみを長く味わいたい。
以前読んだものをもちろん読み返せるが、
新しいもの、そして時代に即したもの読みたい。
しかし、それはもはや望めない。
なぜならもうグールドはこの世にいないからだ。
またひとつグールドの著作を読んだ。
まだ何冊か未読の本が手元に残されているし、
翻訳されていないものも、
2、3冊あるでの、ゆっくりと読んでいけば、
まだ数年や10年は楽しめる。
やはりグールドはいい。
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35(395) 時間とは何か: 2008.05.15

チャールズ・H・ホランド著「時間とは何か」
(ISBN4-7917-6001-8 C0000)
を読んだ。
地質学者が書いた時間の考察である。
深くない。
私の方が深いと思った。
期待はずれである。
哲学者やたの分野の自然科学者の方が
もっと深く考察している気がする。
ホランドは私も知っている地質学者である。
このような本をまとめたことは、重要な貢献といえる。
だが、地質学者として、
もっと哲学者とは違った視点や
もっと地質学に基づいた思索が
あったはずなのに、ホランドは離れすぎた。
ホランドなら地質学的時間について
もっと深く考えてきたはずである。
期待していただけに、
残念である。
だから、、私が地質学的視点で
時間についてまとめる余地があると感じた。
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34(394) はじめて考えるときのように: 2008.05.11

野矢茂樹著「はじめて考えるときのように」
(ISBN4-569-66203-X C0110)
を読んだ。
哲学者野矢茂樹と画家植田真の共作である。
私は哲学者が書いたことを読むために、
購入し読んだ。
しかし、絵も最後まで見ると、
その意図がわかり、
考えることについて書いていたことがわかる。
そして見返してみたくなる。
考えることについて、
一般向けに、あるいは子供向けに書いている。
考えること、わかることの意味を問うものだ。
これを読んだから考えることがわかるわけではない。
これを読んで、考えることをはじめるのだ。
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33(393) もしもあなたが猫だったら?: 2008.05.07

竹内薫著「もしもあなたが猫だったら?」
(ISBN978-4-12-101924-0 C1240)
を読んだ。
思考実験に関する話である。
言いたいことが鮮明で分かりやすい本である。
そして、軽い本である。
新書とはもう少し内容があるものだと思っていた。
しかし、こんな新書もあっていのだという気がする。
そんなことを感じた。
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4月  
32(392) 99.9%は仮説:2008.04.30

竹内薫著「99.9%は仮説」
(ISBN4-334-03341-5 C0204)
を読んだ。
軽く読み流せる本である。
いいたいことは、タイトルどおりである。
ただ、科学者に対して、
倫理や科学哲学、科学史などを
しっかりと教育すべきという主張があった。
同感である。
科学の成果を出すための教育は熱心だが、
科学者になるための基礎素養として
そのような教育が必要だと思う。
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31(391)99%は論理力1%は直観力:2008.04.29

竹内薫著「99%は論理力1%は直観力」
(ISBN978-48284-1390-7 C0030)
を読んだ。
ハウツーものであった。
十分論理について書かれていない。
いくつか面白い観点もあった。
しかし、読むならベストセラーになった本を
読んだ方がいいのかもしれない。
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30(390)背信の科学者たち:2008.04.27

ウイリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド著
「背信の科学者たち」
(ISBN4-06-257535-3 C0240)
を読んだ。
科学者たちの不正行為の実例を、
古くはプトレマイオスから、
ガリレオ、ニュートン、メンデルなどの巨人、
そして最近までの実例を挙げている。
ただ、実例をあげるだけではなく、
なぜそのような行為が起こるのかを論じている。
なかなか面白い内容であった。
現在固有の理由、
科学が本来抱えている問題、
明らかに個人の個性の問題まで
多様な様相ががあることがわかる。
なかなか結論が出ないもんだいである。
現在の研究者養成過程では、
専門性、先端を追うこと、
業績を出すことなどは教育するが、
科学の方法論や考え方、論理性、そして倫理感など、
研究者とて必要な部分の教育が
もれている気がする。
そのような教育こと必要なのかもしれない。
あるいは、別の方策として、
本書でも示されているが、
研究者をもっと減らすべきなのかもしれない。
大学では、教育に専念、もしくは重点をおいた
教員が多数いていいのではないだろうか。
そのような場で、研究成果を問われることなく、
趣味とはいわないが、好きな研究を自由な気分で、
好きなだけ行えばいいのではないだろか。
そんなことを考えた。
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29(389)素数に憑かれた人たち:2008.04.26

ジョン・ダービーシャー著「素数に憑かれた人たち」
(ISBN4-8222-8204-X C3041)
を読んだ。
読むのに時間がかかったが、面白い本であった。
数学的な基礎からリーマン予想を説明してる。
かなりわかりやすく書かれている。
しかしとびとびに読んでいるので、
完全に理解していない。
熟読、精読すればわかりそうなレベルに書かれている。
また、リーマン予想に関連した研究者たちについても、
力を入れて書かれている。
だからタイトルに「憑かれた人たち」とあるのだろう。
ただし、これは日本語のタイトルであって、
英語は「ベルンハード・リーマンと偉大な未解決問題」
となっている。
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28(388)時間はどこで生まれるのか:2008.04.13

橋元淳一郎著「時間はどこで生まれるのか」
(ISBN4-08-720373-5 C0242)
を読んだ。
なかなか面白かった。
物理学者の考えた時間論である。
哲学者の書く時間論よりわかりやすかった。
しかし、どうもわかりにくい部分もある。
それは時間そのものが
非常にわかりにくい概念だからであろう。
もう一つ重要な文献があるので、
それを読まなければならない。
それは地質学者のかい時間論である。
それを読んだら、私も時間論について
考えをまとめていこう。
この本は非常に刺激になった。
再読が必要かもしれない。
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