読書日記
(2006年10月〜12月)

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目次 

12月 
45(278) 空間の謎・時間の謎: 2006.12.26
44(277) 天の瞳 少年編II: 2006.12.26
43(276) 天の瞳 少年編I: 2006.12.14
42(275) 天の瞳 幼年編1: 2006.12.06
41(274) 天の瞳 幼年編2: 2006.12.06

11月 
40(273) 月のきほん: 2006.11.28
39(272) 絶滅古生物学: 2006.11.21
38(271) 島物語I: 2006.11.21
37(270) 砂場の少年: 2006.11.15
36(269) 眼の誕生: 2006.11.15

10月 
35(268) 松井教授の東大駒場講義録: 2006.10.21
34(267) シーケンス層序と水中火山岩類: 2006.10.03
33(266) 地球の内部で何が起こっているのか? 2006.10.03


12月 

45(278) 空間の謎・時間の謎: 2006.12.26

内井惣七著「空間の謎・時間の謎」
(ISBN4-12-101829-X C1210)
を読んだ。
難解であるが面白い。
ライプニッツとニュートン(代弁者)の論争から
科学の本質を見出し、
それを追うことからはじまる。
科学史ではなく科学哲学である。
しかし、科学史の哲学的解釈であるような気がする。
つまりよくある哲学だが、
本当の哲学ではないような気がする。
それは、ニュートン、ライプニッツ、アインシュタイン
などの物理学の大物が提示した理論に
基づいているのからなのだろうか。
著者が生み出したのは
素材を加工して生み出した料理、
つまり解釈のような気がする。
だが、非常に重要なアプローチのような気がする。
誰も手にしていない素材を用いて
人の考えではなく、自分自身の考え方で
このようなや展開をすれば、
より哲学的なものになるような気がする。
私のとるべき道はこれなのかもしれない。
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44(277) 天の瞳 少年編II: 2006.12.26

灰谷健次郎著「天の瞳 少年編II」
(ISBN4-04-873159-9 C0093)
を読んだ。
主人公林太郎が中学校1年生のときの話である。
どこにでもいそうな教師、校長などの
生徒を規則で締め付ける教師と
それに抵抗する主人公とその仲間の話題である。
主人公のような正論による抵抗者は、
現時の学校では少数派ではないか。
ほかの抵抗者は不良と呼ばれるものたちである。
主人公たちは、不良とも戦わなければならない。
本当に自然に生きるとは、
自分の正しいと思うとおりに生きるとは
これほど大変なのかと思う状況での話である。
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43(276) 天の瞳 少年編I: 2006.12.14

灰谷健次郎著「天の瞳 少年編I」
(ISBN4-04-873100-9 C0093)
を読んだ。
最近寝る前にはこのシリーズを読んでいる。
この巻は、主人公が小学校5年生の時の話で
構成されている。
少々ませているようだが、
子供と教師、子供と親、子供の間の関係、
いずれも考えさせされるエピソードばかり
取り上げられている。
なかなか参考になる。
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42(275) 天の瞳 幼年編1: 2006.12.06
41(274) 天の瞳 幼年編2: 2006.12.06

灰谷健次郎著「天の瞳 幼年編1、2」
(ISBN4048730967)
(ISBN4048730975)
を読んだ。
先日、灰谷健次郎の訃報をニュースで知った。
小学校教員養成の学科に配属され、
教員と子供のあり方について考えるようになってきた。
そんなとき以前読んだ
灰谷健次郎の一連の著作が気になり、
図書館で借り出して読み始めた。
面白いのは確かだが、
描かれる子供と大人、子供と親、子供と教師
の関係で、どれがいいのか、どこが悪いか、
考えさせられることが多い。
そして授業の一こまが描かれているが
定常的な授業でそのようなやり方をしていたのでは、
授業予定がこなせないないのではないか、
というような現実的な問題を想起してしまう。
しかし、それも考慮して子供との
より関係を考えていく必要があるのだろう。
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11月 
40(273) 月のきほん: 2006.11.28

白尾元理著「月のきほん」
(ISBN4-416-20612-6 C0044)
を読んだ。
白尾氏の月に関する本だ。
月については、科学的なデータ集はもっていたので
不自由は感じなかったが、
この本を読んで、まさに月の基本がわかった。
天文写真のプロといっても良い白尾氏が
あえてイラストで説明をしたのは、
そのほうが分かりやすいからである。
この本は子供から大人まで、
分かりやすさにこだわって作成されたものである。
私にも面白く分かりやすい内容であった。
いくつか誤植もあったが、それはあとがきにあったように
急いで書いたせいかもしれない。
しかし、それはささやかのことである。
この本はいい。
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39(272) 絶滅古生物学: 2006.11.21

平野弘道著「絶滅古生物学」
(ISBN4-00-006273-5 C0044)
を読んだ。
古生物学を絶滅という視点で捉えたものである。
著者の主張はよくわかる。
地球の歴史を解明するためには、
古生物学的情報は不可欠である。
それはあまりに記載的である。
現在の科学の進歩や方向性からは
なかなか古生物学の研究が評価されないのは
学問の性格上仕方がないような気がする。
もっとのびのびと学問できる環境が必要だ。
このような学問は博物館のようなところで
もっと主力を移してやるべき分野のような気がする。
そして、子供や市民に古生物学の面白さを
伝えていくべきであろう。
研究者養成は、大学の地質学や生物学を専攻したものが、
博物館で専門の訓練を受けながら
行うのが理想的ではないだろうか。
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38(271) 島物語I: 2006.11.21

灰谷健次郎著「島物語I」
(ISBN4-04-352025-5 C0193)
を読んだ。
以前にも読んだ記憶があるのだが、
新入生用の推薦図書の候補として、再度読んだ。
面白くいろいろ考えさせられる内容であった。
現実にこのようなことが
可能なのだろうか疑問に思うこともある。
しかし、これは小説なのだ。
伝えたいことがあっての虚構である。
著者の伝えたいことについて考えをめぐらすべきであろう。
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37(270) 砂場の少年: 2006.11.15

灰谷健次郎著「砂場の少年」
(ISBN4-04-352024-7 C0193)
を読んだ。
35歳の臨時採用の中学校教師が
「札付き」のクラスを担当させられる。
しかし、教師と生徒が理解しあうことで
より深い教育について考えていくものである。
小説である。
最近急遽小説をいくつか読み出した。
新入生に入学前のガイダンスとして、
書籍を指定し、感想を書くというものがある。
そのための素材探しである。
灰谷健次郎は以前結構読んでいた。
今ではほとんど忘れている。
しかし、教育を扱った内容が多いので、
今後も読み進めていこうと考えている。
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36(269) 眼の誕生: 2006.11.15

アンドリュー・パーカー著「眼の誕生」
(ISBN4-7942-1478-2 C0040)
を読んだ。
カンブリアの大爆発とよばれる生物の飛躍的進化が
光を感じる眼の進化によるものであるという説が
展開されている。
「光スイッチ」と呼ばれるものである。
当たり前のように見える説であるが、
今までだれも真剣に唱えてこなかったものである。
当たり前に見える説であるから、
非常に多くの面から論じられている。
なかなか面白い説だと思う。
しかし、古生物の進化を考えるときいつも
仮説と真実について考えてしまう。
進化とはあくまでも説にすぎない。
人間の自然の見方といってもいい。
だから進化を支配する要因を考えるのは、
もっと実証困難となる。
現在の生物の環境への適応や小進化ですら、
現象は捉えることができても、
その本当の原因は完全にはわからない。
説をつくっても、それが唯一の解であり、
真実だという証明ができないからだ。
古生物の進化とは過去のできごとである。
だから、論理として一番もっともらしいものが
もっとも真理に近いと考えざる得ない。
そんな当たり前のことであるが、
有力な説が真理だと間違って伝わることには
注意が必要だ。
そんなことを考えた。
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10月  
35(268) 松井教授の東大駒場講義録: 2006.10.21

松井孝典著「松井教授の東大駒場講義録」
(ISBN4-08-720321-2 C0244)
を読んだ。
やはり私の考えに通じるものがある。
まるで私の考えをWEBで見ているのかと思うほど
似ている内容がいくつもあった。
科学的な知識の最新情報では、
もちろん彼は専門家でもあり、
学生や院生がたくさんいるであろうから、
太刀打ちする気はない。
しかし、本質的な思想部分では
私自身がいろいろリジナリティを
持っているつもりであるが、
その点が似ているのが気になる。
もちろん私しかない部分もあるが、
やはい似ている点があると気になる。
そのオリジナリティや優先権を守るには、
はやり書くことである。
少しでもはやく公開してその記録を残しておくことである。
この本を読んでそう感じた。
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34(267) シーケンス層序と水中火山岩類: 2006.10.03

保柳康一・松田博貴・山岸宏光著
「シーケンス層序と水中火山岩類」
(ISBN4-320-04684-6 C3344)
を読んだ。
フィールドジオロジーという専門書の4巻である。
地層の解析が進んでいることがわかった。
しかし、地域の詳細に入っているような気がする。
もっと次元の大きなものへとなるには、
広域的なデータがもっと集まらないとダメなのかもしれない。
そうなれば、これらのシーケンス層序学も
もっと大きな地球の環境変動へと話がつながり、
学際的広がりを見せるであろう。
しかし、その前にはやはり詳細な記載を
積み重ねていく必要があるのだろう。
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33(266) 地球の内部で何が起こっているのか? 2006.10.03

平朝彦・徐垣・末広潔・木下肇著
「地球の内部で何が起こっているのか?」
(ISBN4-334-03314-8 C0244)
を読んだ。
2005年7月に竣工した地球深部探査船「ちきゅう」に
まつわる研究課題や内容の紹介である。
こんな巨大研究はまるでバブルの頃の研究だが、
これからが勝負である。
日本はこのような巨大研究にお金をつぎ込んでいる。
カミオカンデ、スーパーカミオカンデ、Spling8、
地球シミュレーター、天体望遠鏡すばる、やはぶさ
などなど、それぞれが成果を挙げてきている。
今度が「ちきゅう」である。
「ちきゅう」の中心メンバーが紹介している本である。
一読の価値がある。
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