読書日記
(2004年10月〜12月)
12月
33(184) 花崗岩が語る地球の進化: 2004.12.27
32(183) 石ころがうまれた: 2004.12.23
31(182) 土のコレクション: 2004.12.20
30(181) はじまりのうたをさがす旅: 2004.12.12
29(180) 「水」をかじる: 2004.12.05
28(179) 世界を変えた地図: 2004.12.03
11月
27(178) 宇宙創成から人類誕生までの自然史: 2004.11.15
26(177) 歴史の方程式: 2004.11.14
25(176) 数学の愛しかた 2004.11.14
10月
なし
12月
33(184) 花崗岩が語る地球の進化: 2004.12.27
高橋正樹著「花崗岩が語る地球の進化」
(ISBN4-00-006667-6 C0340)
を読んだ。
市民には少々難しそうだが
地質学を志すもの、学生には
ちょうどよい参考書であろう。
私も花崗岩の基礎を学びなおすにのに丁度よかった。
今度復習をかねて花崗岩のエッセイでも書こうか。
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渡辺一夫著「石ころがうまれた」
(ISBN4-591-08384-5 C8044)
を読んだ。
子供向けの本である。
私が書きたいなと思っていた内容の本である。
渡辺氏は川原の石ころをずっと調べている人である。
研究者ではない。
アマチュアの石愛好家で
子供のための科学ライターである。
面白い内容である。
しかし、私が書きたかった内容なので、
私ならこう書くのにというような読み方をした。
ちょっとあら捜しのようなことをしていた。
でも、私と同じように自然の中の石ころが好きで、
そこから自然の神秘を解明していくことを
楽しみにしている。
私もこんな本を書きたいものだ。
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栗田宏一著「土のコレクション」
(ISBN4-577-08260-3)
を読んだ。
きれいである。
学術的なことはほとんどかかれていないが、
きれいである。
きれいとというだけでこれだけ
人の目をひきつけるものがある。
自然の造形の素晴らしさかもしれない。
研究することも重要である。
しかし、自然の造形が美しいことを
美しく見せるようにすることが重要かもしれない。
大切なことを見せ付けられて気がする。
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30(181) はじまりのうたをさがす旅: 2004.12.12
川端裕人著「はじまりのうたをさがす旅」
(ISBN4-16-322620-6)
を読んだ。
小説である。
川端氏のいつものように、面白いものであった。
しかし、内容がそれほど深くはないような気がする。
最近は読書時間がみじかくなり、
本をあまり読まなくなった。
しただって、小説もほとんど読まなくなった。
それに、小説でも読むのは川端氏のものだけになっている。
でも、彼も主だったものは、ほとんど読んだ。
私の興味あるようなものもう書かれないのだろうか。
もしそうなら残念である。
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志村史夫著「「水」をかじる」
(ISBN4-480-06181-9 C0240)
を読んだ。
水についてのいろいろが書かれているのだが、
あまり期待していた内容とは違った。
あまりにもあれこれで、
統一感がなかった。
それに知りたかった水の
さまざなま科学的側面、
科学的最新成果があまりなかった。
でも、読み物としては楽しかった。
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サイモン・ウィンチェスター著「世界を変えた地図」
(ISBN4-15-2085797 C0044)
を読んだ。
地質学者なら誰でも名前を知っている
ウィリアム・スミスについての
ノンフィクションである。
地層累重の法則、化石による地層同定法を用いて
世界で最初の地質図を作ったスミスは
「イギリスの地質学の父」として称されるが、
その人生は苦渋に満ちたものであること、
そしてその苦渋の一部は
イギリスの地質学会から受けたものであることなど
知らないことをいろいろ知ることができた。
最近地質学者を扱った評伝を読むことが多い。
しかし、これは、そのような研究者に
光があてられていること意味しているのだろう。
そしてこの本がアメリカで
ベストセラーになったことがまたすばらしい。
日本でどの程度売れているか心配であるが。
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11月
27(178) 宇宙創成から人類誕生までの自然史: 2004.11.15
和田純夫著「宇宙創成から人類誕生までの自然史」
(ISBN4-86064-035-7 C0042)
を読んだ。
私が以前、宇宙の階層性の論文で
書いていたような内容である。
ただし、もう5年以上前になるので、
多くの分野で新しい内容に更新されている点が
この本には反映されている。
なかなか面白い本であった。
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マーク・ブキャナン著「歴史の方程式」
(ISBN4-15-208528-2 C0040)
を読んだ。
面白い。
べき乗になる現象がフラクタルで、
それは臨界状態から起こることであり
現象自体に原因はないというもうのである。
もしこれが本当なら、
生物の大絶滅や地震の時期と規模などの
自然現象だけでなく
人口集中、経済活動、人間活動にも
原因がわからずに、究明するために
調べていることの多くが無意味となってくる。
面白が、納得しかねることがある。
でも、十分考えてみることが必要である。
現象とそこから導かれる方程式は単純である。
そしてコンピュータによるシミュレーションとも一致する。
さて、そこに真実があるのだろうか。
深く考えてみる必要がある。
この本の英文名は”Ubiquity”である。
この意味するところは、
「至る所にあること」、「遍在」というものである。
そして副題として
「歴史の科学。。。。
あるいは、 世界が考えているより
ずっと単純なのはなぜか」
というものである。
読んでその意味が良くわかった。
これは永久保存書である。
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ピーター・フランクル著「数学の愛しかた」
(ISBN4-14-189108-8 C9441)
を読んだ。
NHKの人間講座のテキストである。
実際の放送は見ていない。
しかし、テキストに興味があったので、読んでみた。
昔、彼の本は読んだ記憶がある。
その本にはどのようにして多くの語学を
身に付けていったのかを書いてあった。
この本には数学だけのことだけが書いてある。
そして彼の大道芸については書かれていない。
彼がどのようにして数学を好きになり、
そしてそれをはぐくんできたのかが書かれている。
そして最後に、日本の数学教育についての考えが
述べられていた。
できれば、彼が数学に対して
どのような活動をしているのかを示してほしかった。
研究でもいい。教育でもいい。
現在の彼自身の数学への
かかわり方を伝えてほしかった。
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