読書日記
(2003年10月〜12月)

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目次 

12月 
72(151) 理系白書: 2003.12.27
71(150) 死都日本: 2003.12.26
70(149) 大学授業の生態誌: 2003.12.21
69(148) パソコン悠悠漢字術2002: 2003.12.21
68(147) 哲学ってなんだ: 2003.12.21
67(146) 日本の名河川を歩く: 2003.12.21
66(145) 宇宙人としての生き方: 2003.12.21
65(144) ダーウィンとアフォーダンス: 2003.12.21
64(143) 現場主義の知的生産法: 2003.12.21
63(142) 図解雑学 時間論: 2003.12.21

11月 
62(141) 全地球凍結: 2003.11.13

10月 
61(140) 地球外生命体 存在確率: 2003.10.25
60(139) 改訂日本砂浜紀行: 2003.10.25
59(138) 漂着物考 浜辺のミュージアム: 2003.10.25
58(137) 暗号理論: 2003.10.05
57(136) 地磁気逆転X年: 2003.10.05


12月 
72(151) 理系白書: 2003.12.27

毎日新聞科学環境部著「理系白書」
(ISBN4-06-211711-8 C0040)
を読んだ。

理系のおかれている現状が紹介されていた。
新聞に連載されていたものだから
ひとつひとつのインタビューや取材が
あまりにも短く、内容が上っ面だけのような気がした。
本として考えてた場合、
もう少し精選して、深い取材内容で構成してほしかった。
でも、理系の現状と問題点の概要を知るには
役に立った。
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71(150) 死都日本: 2003.12.26

石黒耀著「死都日本」
(ISBN4-06-211366-X C0093)
を読んだ。

以前に知り合いの地質学者から
面白い本であるという紹介をされたものだ。
最近入手して呼んだ。
考えたら、久しぶりに仕事の関係のない
小説を読んだ気がする。
火山の描写が面白く、
私の日本再生と似たいような方向性を持っているので
非常に面白く読んだ。
私は、火山は専門としていなかったので、
いろいろ知らないことも書かれていて勉強になった。
やはり自然現象でもここまで破局的なものであると、
学術的に細かく書き込んであっても面白く読める。
しかし、破局的噴火のあとの
各種の震災や富士の噴火など、
「火山の冬」の話の前でこの本は終わっている。
そこが知りたいところでもあるが、
そこの話はまだ、研究者間でも
結論が出ていないところでもある。
だから、書きにくく、ますますSFっぽくなるのかもしれない。
でも、ぎゃくにいうとSFだから書けるところでもある。
もし、可能なら続編を読んでみたいものだ。
しかし、これ以降は火山の知識だけでなく、
防災、災害だけでなく、
広く地質学の素養が必要となるであろう。
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70(149) 大学授業の生態誌: 2003.12.21

島田博司著「大学授業の生態誌」
(ISBN4-474-30259-4 C3037)
を斜め読みした。

生態を理解する、あるいは教員の授業努力をすること
そしてその実践例を示している。
これは重要なことである。
もちろんある提案がされている。
しかしである。
普遍的でない。
教育の普遍化は必要である。
でも、このようは提案は局所的である。
普遍的でない。
もっと一般化した理論が必要だ。
それも空論でなく、実用的なものが、
ということえお強く感じだ。
それができないのであれば、
場所ごと、地域ごとのやり方をやるしかない。
ということとは、教育の理論はいらないということである。
実践例と、実用的教材の提供をするしかない。
進歩がない。
進歩を求めたいのであれば、
普遍化である。
それができない限り教育論は不要である。
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69(148) パソコン悠悠漢字術2002: 2003.12.21

文字鏡研究会編「パソコン悠悠漢字術2002」
(ISBN4-314-10249-0 C2055)
を読んだ。

以前にもこの文系のパソコン利用本があった。
そのときは、このような漢字のプロジェクトの紹介だけであったが、
いまやCD-ROMとして11万字という大量の漢字が付属している。
それが既存のパソコンのシステムで利用できるようになっているのである。
新しい漢字も随時更新されているという。
すばらしいことである。
これは、漢字文化圏の文化を新しいテクノロジーで利用したものである。
西洋の人たちにはなかなかできない発想であろう。
しかし、このような異文化の人たちが
自分たちの文化を表現するための努力、
これが既存の技術を大発展させていくのである。
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68(147) 哲学ってなんだ: 2003.12.21

竹田青嗣著「哲学ってなんだ」
(ISBN4-00-500415-6 C0210)
を読んだ。

前半は面白かった。
しかし、竹田氏が専門としている現象学になると、
とたんに面白くなくなる。
あるいは、近代のヘーゲル以降の話になると面白くなくなる。
これは、なぜなのだろう。
これは彼のせいではなく、
内容が私の興味とは違うからなのだろうか。
それとも近代の哲学が現実の人間の思うことと遊離しているのではないか。
それとも意識が高度になったせいか。
それとも近代人が馬鹿になってきたか。
それとも私がこれを読む能力がないか。
判断できない。
でも、 古代や近世の哲学は、解説されるとよくわかる。
なのに、いくら解説されても、わかりにくいし、
まして面白くない。
なぜなのだろう。
いつもここに疑問がたどり着く。
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67(146) 日本の名河川を歩く: 2003.12.21

天野礼子著「日本の名河川を歩く」
(ISBN4-06-272204-6 C0276)
を読んだ。

私が興味をもっている河川ではあるが、
はやり釣りをする人とは、興味が違う。
自然の中で遊ぶという点では理解できるものがある。
しかし、その人数が多くなるにつれて、
そこには営利が生じる。
既得権、商売、集客。
すると、それに反対する自称自然派の釣り師が怒る。
しかし、彼らがその釣りのすばらしさを宣伝したために、
釣り人口が増えたため、荒廃が味待ったのではないか。
などとどうもいろいろ思いは巡る。
だから、この本は最後まで読めなかった。
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66(145) 宇宙人としての生き方: 2003.12.21

松井孝典著「宇宙人としての生き方」
(ISBN4-00-430839-9 C0244)
を読んだ。

驚いた。
私が考えていたことがたくさん含まれていた。
私のメールマガジンやホームページを読んだのかと思うほど、
似ている内容もあった。
これは、今の時代がこのような考え方を求めているかのかも知れない。
だから、識者はこのようなことを考えるのであろう。
もちろん私とは違うことも盛り込まれている。
それにこの内容はNHKの人間講座で放送された後、
本としてかかれたものである。
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65(144) ダーウィンとアフォーダンス: 2003.12.21

佐々木正人著「ダーウィンとアフォーダンス」
(ISBN4-06-149335-3 C0211)
を読んだ。

ゼミ学生がアフォーダンスに興味をもっている。
それに関連して昔途中まで読んであきらめたこの本を思い出した。
そして読み直した。
やはりよくわからない。
あげられている例は面白い。
そしてダーウィンも面白かった。
そしてダーウィンが考えた知能というものの
実証法、観察のすごさを知らされた。
時代がダーウィンの進化論生んだのでなく、
やはりダーウィンだから進化論が生まれたのだ。
この本の趣旨とは違うが、
そんなことを感じだ。
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64(143) 現場主義の知的生産法: 2003.12.21

関満博著「現場主義の知的生産法」
(ISBN4-480-05940-7 C0234)
を読んだ。

面白かった。
フィールドワークをしている社会学者がどう思っているか知りたい。
そして、著者のような生産量をできればいいと考えた。
しかし、私は同じフィールドワークでもあては地質という自然だ。
そこに詣でることは、必要だ。
そして、親しくすることで、よりよく知ることになる。
そんなことを私もしたい。
いい本であった。
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63(142) 図解雑学 時間論: 2003.12.21

二間瀬敏史著「図解雑学 時間論」
(ISBN4-8163-3055-0 C0042)
を読んだ。
私が知りたい哲学的な部分ではなく、
物理的時間につていの解説書であった。
しかし、物理的側面も
このように時間に関してまとめて読んでみると
面白く感じた。
そしてエントロピーへの議論へと進んでいく。
物理の抽象的時間論、
あるいは歴史的時間論はかならずエントロピーへといく。
そこになにな当たり前すぎて面白みにかける気がする。
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11月 

62(141) 全地球凍結: 2003.11.13

川上紳一著「全地球凍結」
(ISBN4-08-720209-7 C0244)
をよんだ。
良い本である。
新しい地球科学のモデルが生まれる臨場感がある。
ホフマン氏がいかにそのモデルを
つくりあげていったか。
そのモデルに他の研究者はどのように対処したか。
そして日本のグループは
どのような貢献をしたか。
そのあたりの研究の背景がよくわかった。
私は、川上氏を知っている。
川上氏は大量の文献を集めて、
そこから重要な点を要約するという能力に長けている。
それをいろいろな分野で行ってきた。
最近は縞々学を中心にして
生命と地球、そして現在の中心課題である
全休凍結へ関心が進んでいる。
成果もそれなりに上がられている。
リーダーとして優れている。
しかし、私は、この本を読んで、
反面教師をそこに見た。
私が得た重要な教訓は、
自分でデータを出すこと。
そして自分の考えを打ち出すこと。
つまりゼロからスタートして、
自分流のものを作り上げること。
これこそが科学の醍醐味であろう。
これをしないとどんなに成果を出したとしても、
その面白さ、満足感は、
自分流の満足感とは比べ物にならないだろう。
科学は結果である。
しかし、人間は心である。
心が満足できないものに邁進する気は起きない。
だから、私は、自分の今のやり方は
間違っていないと思えた。
そんなことを強く感じさせてくれた本である。
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10月 

61(140) 地球外生命体 存在確率: 2003.10.25

アミーア・D・アクゼル著「地球外生命体 存在確率」
(ISBN4−562-03195-6 C0098)
を読んだ。
アクゼルの著作である。
前半は面白くなかったが、
後半の統計部分は面白かった。
インスペクションン・パラドックスなどは、
統計を常識的誤解して使っていることを
統計学がその間違いを教えてくれる。
しかし、最終的な答えを出すときの方法には疑問がある。
地球外生命体の存在確率は1という答えを出すのである。
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60(139) 改訂日本砂浜紀行: 2003.10.25

江川善則著「改訂日本砂浜紀行」
(ISBN4−8231-0619-9 C0044)
を読んだ。
私がホームページでやっていることを
趣味として本にしたものである。
学術的なデータをとっているが、
目指す方向がわからないので、
その結論がない。
非常に面白い試みで、
これを本として出すことは有意義である。
しかし、だれかこも面白い素材を科学にする必要がないだろうか。
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59(138) 漂着物考 浜辺のミュージアム: 2003.10.25

石井忠ほか著「漂着物考 浜辺のミュージアム」
(ISBN4-87275-825-0 C0339)
を読んだ。
この本は漂着物についてのいろいろな考察がされている。
漂着物にも石ころと何か共通するところがある。
多くの人が興味をもっているのだが、
学問や系統だった考察がされていない。
一部の趣味的な扱いがされているだけである。
ただ面白いだけのものに終わるのか、
これをどう体系化していくのかが問題だ。
著者の1人に後輩の古生物学者がいたので、驚いた。
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58(137) 暗号理論: 2003.10.05

伊藤正史著「図解雑学暗号理論」
(ISBN4-8163-3465-3 C0055)
を読んだ。
平易に書かれた暗号についての本である。
暗号の意味に変遷や、暗号に関する理論的内容が説明されている。
しかし、その内容に難易がさまざまでわかりやすいところと、
わかりにくいところあった。
しかし、図がほとんど不要な内容でった。
もう少し図の必要な内容にすべきであろう。
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57(136) 地磁気逆転X年: 2003.10.05

綱川秀夫著「地磁気逆転X年」
(ISBN4-00-500397-4 C0244)
を読んだ。
子供向けに平易に書かれた
地磁気についての本である。
なかなかいい本であった。
大学の研究室を舞台に、現実にあった事例を元に
高校生に教員、大学院生が地磁気に関して
各種の説明をするという構成になっている。
私は、地磁気の逆転に興味があったのだが、
予想通り電子機器には被害がありそうだが、
生物自体には大きな被害はなさそうである。
非常にいい本であった。
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